懐かしいなぁ、澤井健。 この人の描いた漫画、久しく目にしていないと思ったら(私が知らないだけで実は活躍していらっしゃったら、すみません)こんな仕事なさってたんですね。 いやはや楽しませていただきました。 まず人をくったタイトルでツカミはOK。この書名にニヤリとした人は、ぜひご一読を。期待は裏切られませんよ。 ハリウッド大スター男優「姐さん化」の考察に腹の皮をよじらせ、フランス人女優の実像(?)に迫る一文に唸りました。 これでもうちょっとイラストが多ければ文句ナシだったのですが。★下げてしまってごめんなさい。
最初この本を手に取ったとき、かの画家のフリーダ・カーロの半生記とかその類を想像したのですが、ところがどっこい、でしたね。しかもいい意味で裏切られた!と、いう感じです。 フリーダは、大変過酷で激しい人生を送った画家でした。そして、彼女の夫の名はディエゴ。前に一度、彼女の人生についての文章を読み、絵画を鑑賞し、それはそれは熱烈なディエゴへの愛を表現した、直筆の書きちらしまで見てしまっていた私でしたので、そっちのほうを期待してしまっていたわけです。 しかし、この「LA CALACA」では、海で死んだ夫を待つフリーダの物語でした。死んで蘇えったガイコツ達と暮らしながら。と書くと、まるでホラーのようですが、この本を見ていると、ガイコツほど清潔で優しくて、しかもおちゃめな人達っていないのでは?と思ってしまいます。 また、著者の澤井 健氏の色彩感覚が、本当に素晴らしい。漫画というよりは美しい絵本を見ているようです。そして、物語も素敵です。値段は張りますが、これは買いですよ!絶対損はしません。 さて、フリーダはディエゴと再会できるのか?買ってからのお楽しみです。
雑誌「映画秘宝」に連載されているコラムが単行本化。筆者であるイラストレーターの澤井健は、私と同じ1965年生まれなので、見てきた映画や女優はほぼ重なっている。もっとも、著者は私などとは比べものにならないほど多くの作品や女優をマニアックに観察している。イラストレーターだけあって女優の骨格やメイクには並々ならぬ関心を向け、詳細な分析を行っており、読んでいてもまともについて行くことは不可能。しかし、理解できなくてもついつい読んでしまうところが筆者の筆力なのだろう。イラストレーターとしてだけではなく、コラムニストとしても抜群の技量の持ち主である。女優好きでは人後に落ちないつもりだが、さすがにプロはすごい。
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