表紙・巻頭インタビューに加川良を起用したこの雑誌の勇気に拍手をおくりたい。 惜しむらくは当時のフォークの根底を支えたもっと多くのアーティストの記事も載せて欲しかった。 まあ、それはvol.2に期待しましょうかね。
1974年発表、加川良としては4作目、ベルウッド移籍後、初のアルバム。なんと言っても1曲目「ラブソング」がいい。曲もいいし、良の歌もいいし、律っちゃんのペダルスティールもいい。他の曲もいいんだけど、このあたまの「あのレールのずっと向こう、どこまで行けるのかね」がこのアルバムの印象を、良のどのアルバムよりも軽やかなものしてくれていて、時々引っ張り出して聴きたくなる。ところで1枚もアルバムを残さなかったために「幻のバンド」と呼ばれることの多いハックルバックのメンバー4人が全員、顔を揃えているので、ハックルバックがバックを務めているみたいな紹介のされ方をすることも多いようだけど、それは正確ではない。実はこのレコーディングの時点ではハックルは結成されていない。正しくは石田長生(g)のTHISというバンド(佐藤博key,田中章弘b,林敏明ds)が主体となってバッキングを務めていて、そこにゲストのギタリストとして鈴木茂が参加。茂がBand Wagon発表後、バンドが必要になって、石田以外の3人を東京に呼んで結成したのがハックルバックなのだ。ハックルバックは、茂がアメリカから持ち帰ったBand Wagonのグルーヴを忠実に再現することを通して着実に腕を上げてゆき、解散後の佐藤と田中の活躍ぶりはご承知の通り。ここで聴ける音をもってハックルバックを類推されたらかなり不本意。蛇足ながら、5で聴ける赤ん坊の声は、盟友高田渡の息子で現在はスライドギターの名手として知られる高田漣である。更に蛇足を重ねると、俳優の大杉漣は高田渡の大ファンだそうで、芸名を考えた時に渡の息子の名前を無断借用したそうである。
このアルバムは学生の時にレコード盤で持っていまして、アコースティックギターを始めるきっかけになったアルバムです。しかし、結婚してしばらく時間がたちCDの時代となり気が付けばレコードプレーヤーもなくなりまして、レコード盤は捨てられてしまっていました。すっかりあきらめていたところこのCDを見つけ購入しました。学生時代と同じようにギターを購入しようと考えている今日この頃です。
やっと手に入りましたよ。あのコンサートは当日行ってました。 斉藤哲夫さんの<バイバイグットバイサラバイ>は 生田さんのギターも絶妙だしベストテイクだと思います。 何と言っても渡さんの絶頂期のライブで特に最後の 全員の<プカプカ>は笑えます。 正月の楽しみになりました。
オリジナルLPは1976年7月25日にテイチク、ブラック・レーベルから発売。加川良6枚目のアルバムです。ベルウッドから出た『アウト・オブ・マインド』で聴いた心地よさがこのアルバムでは全開です。レイジー・ヒップとの競演で、ギターを抱えて唄う良さんの舞台が見えてくるようなアルバムに仕上がっています。標題曲「駒沢あたりで」は、教訓に始まった加川良の歌の世界が、ここまででずいぶん変わったように聞こえて、でも、よ〜く聞くと初めからこうだったんだと気づかされる一曲です。「女の証し」も「オレンジキャラバン」も「祈り」も、全ての曲が優しさに包まれています。しかも、バンドのサウンドもしっかりしていて聴き応え充分です。 一度CD復刻されたものの、品切れ状態が続き永らく入手困難でしたが、テイチクからこのアルバムを含めて3枚が復刻され、(しかもリマスタリングで、)良さんの歌声に再び出合えることになりました。あとはNEWSレーベルから出た『プロポーズ』の復刻が期待されます。あわせて、レイジー・ヒップの復刻も是非。 「駒沢あたりで」のみ作詞・作曲:菊田修一、ほかは全曲:加川良作詞作曲。 レイジー・ヒップ:長田和承:GUITAR 安田直哉:GUITAR 岩本千秋:VOCAL 菱川英一:KEY BOARDS 山本正明:BASS 野口実智男:DRUMS
|