パッケージに写っている全身写真の女の子。華奢で可愛い感じの娘ですが、男性です。相沢咲姫楽(あいざわさきら)、恐らく戸籍上はアキラというのでしょう。主人公の心の支えとなっている歌手役の中村中も、紅白で既にご存じの方が多いと思いますが、元・男性です。
ゆえに、このドラマは、ほぼドキュメンタリー(実話)と言っていい内容です。本物の人が演じているため、非常に説得力があるというか、真実の重みがあります。
相沢咲姫楽さんは、実生活でも役者を目指しているそうで、基礎があるため、演技は非常に上手いです。タイトルがタイトルなので、多分そういうドラマだろうと思って見始めたのですが、それでも、あまりの可愛さに驚いてしまいました。
鮮烈だったのは、スーパーで買い物をするシーン。遊んでいる子供達を見守る、優しい表情に、ハッとさせられました。確かにあれは女性ならではの仕草ですね。こんなに可愛いなら、付き合ってもいいかなぁ〜、なんて安易に考えてしまいました。
周囲の人にカミングアウトし、両親を説得して行くのですが、就職、恋愛・結婚など、まだまだ困難が待ち受けています…。周囲の人の違和感を消し去り、自立できる社会へ。絵的にも可愛らしく、この問題の「入り口」となるには、十分な作品だと思います。主題となる曲「友達の詩」も、繊細さと迫力を持った素晴らしい歌です。
そんな金子みすずさんの言葉が浮んできました。
わたしも母親ですがどうしても周りと比べたり周りを基本に 考えてしまって勝手な枠に入れてしまってる気がします。 もっとそれを個性やその子らしさなんて受け止めてあげる大人の 理解や知識が必要だと感じました。
カミングアウトの本はありますが「親目線」での本は初めてでは ないでしょうか? アキラさん本人ももちろん苦悩したでしょが、その親なら? そんな目線での著書は性同一性の問題だけでなく思春期の子育て にも役立つ1冊でした。
とても読みやすく、とても元気が出る本です。
ゲイである自分も、自分を隠してまったく違う自分を演じて生きることを
求められてきましたから共感することが多かったです。
本から・・・”当事者が勇気をもって、力と知恵をふりしぼって声を上げなければ
いないことにされてしまう。それがこの社会の現実だ。
何もせずにあきらめて扉を閉ざすべきではない、誠意を込めて丁寧に言葉を
重ねれば寄り添って考えてくれる相手は少なくない・・・“
地方都市の松山で自分も小さな声を上げて頑張ってみていますが、同じ気持ちです。
第6章の「沈黙から発言へ」は、経験に即したノウハウが生き生きと書かれて
あり、行政や議員の方とも関わっていくことの多い自分にとってとても参考に
なるものでした。
上川あやさんがどのように自己肯定し、カミングアウトの作業を手順もって望ん
でいったか?など、とても実践的な情報が満載で読む多くの人たちを励まして
くれるでしょう。
性同一性障害を公表した上での区議会議員当選。
そして国を動かし性別の取り扱い変更が認められるようにまで。
10年前にこのような状況が想像できたでしょうか?
やはり行動していけば、夢は本当に実現していくのですね!!
自分たち同性愛者も切り開いていくぞ!!いけるぞ!と
励まされた一冊でした。
愛の表現や形は様々で、決まりごとも無い。そしてある日突然生涯をともにする愛がやって来たりする。 gender(性)に悩むのは主人公である“父”だけでなく、自らの息子もその悲しい生い立ちを背景に、別の意味で抱えている。
“父”の身勝手な理由から始まったこの旅を通じて、お互いはそのことを少しずつ知ることになる。 しかし、本作のタテ糸は実は家族愛のように思えてならない。性の問題はヨコ糸であり、二人の旅路に絡んでくる様々な善人や悪人の登場人物との出会い、 そして主人公の家族と過ごす短いながらも楽しい時間にたどり着き、息子が主人公と自分との間の真実を知り出て行った時、ひとつの織物の生地が出来上がる。
手術を受ける“父”、念願かなって“ハリウッドデビュー”をワケアリ映画で実現する息子。 ラストシーンは、この二人が、あのなんとも楽しく愛情にあふれた祖父母と妹も一緒になって、 この“生地”を使って手探りながらも少しずつ、“1着の洋服”をこれから作り上げていくことを見るものに感じさせる。
一問一答形式で構成された45の問答が、初心者には読みやすいです。また下に取られている広い欄外に、用語解説、本やビデオの紹介、新聞記事のコピー、写真、などがあって飽きが来ません。最後にある「診断と治療のガイドライン全文も貴重です。
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