暗鬱な城館で出会った、男と女の記憶が食い違い、互いに主張し合ってゆずらない。徐々に軟化し、男の主張を受け入れてゆく女・・・。どちらが本当のことを言っているのか、あるいはどちらも嘘をついているのか、それともすべては男の妄想で最初から女など存在しなかったのか・・・。意味不明の会話。繰り返されるゲーム。突然生気を失い彫像と化したかのように立ち尽くす人々・・・。過剰に飾り立てられた美しくも冷たい空間を移動するうちに、奇怪なオルガンの調べと独白が見るものを不安に陥れる。 また、ジャンプショットとフラッシュバックの多用により、時間と空間の正確な認識が失われてゆき、脈絡もなく潜入される意味不明のショットと不可解なモンタージュにより現実と幻想との境界さえも不明となる。 主人公たちと共にバロック(実際にはロココらしいが)な映像の迷宮をさまよううちに自分自身の現実さえもが侵食されていることに気付く。この美麗で暗鬱な城館は私たちの人生のメタファーでもあるのだ。果たして私たちは現実を認識できているのだろうか?現実だと思っているものは実は幻想にすぎないのではないか・・・。 短編2作を含む、140分にも及ぶ特典映像もうれしいところ。(実は僕はまだ見ていないのだが・・・) アート系映画ファン必見の、オール・タイム・ベスト級、レネの最高傑作。
全体のまとまりがあって良いアルバムです。 捨て曲がありません。
音楽的な用語はわからないので、印象だけ。 わくわくする出だしで始まる「インク」。 「ピアノブラック」は宇宙的な音が耳に心地よい。 「あバンギャルど」はどこか懐かしく、歌詞は血みどろですが、とても楽しいです。 「ライフ・イズ・ビューティフル」はサビががなり系で、 はじめは「あれ?」と思いましたが、今は逆に耳に残って仕方ありません。 そして一番わたしが好きなのは「君はカナリヤ」。昔のプラっぽい印象です。 綺麗で美しい世界が広がって、エンドレスリピートしてしまいます。 このアルバム唯一のケンケン作詞曲。 くるりくるりとした世界に引きこまれてしまう「てふてふ」、胸に迫る切なさがあります。 「218小節、かくも長き不在。」は不思議な緊張感をもったインスト曲。 最初と最後が声とアコギだけのシンプルな曲「ロールシャッハ」、優しくて好きです。
是非聴いてみてほしいアルバムです。
映像美と言いますか、スタイリッシュと言いますか、僭越ですが、すべてシーンが計算と意図の元に構築されている印象を受けました。尺的にはなにもかも入れても100分弱、決して長くはないのですが、全編集中力を強要される、ある意味とてもしんどい作品です。
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