父親を殺した容疑で少年を裁く裁判が行われた。 様々な状況証拠、証人、そして少年の育った環境の悪さなどから、誰もが 有罪を確信していた。 裁判の判決は有罪。 そして、この判決を受け入れかどうかは12人の陪審員たちの手に委ねられ る。さっさと終わらせてしまおうという雰囲気の中、主人公の男だけは無 罪に票を投じる。全員一致のみが評決を出す手段である。男たちの長い議 論が始まる。 というのは、ほんの冒頭の部分。 ほとんどのシーンが議論が行われる一室のみで展開される。BGMもなく、男 たちの議論の声の合間の、静寂の場面が効果的に使われています。 そうとう昔の作品ですが、今見ても十分楽しめる名作です。 ぜひ見てみて下さい。
なんて完成度の高い映画なんだろう!!
学生時代、授業でたまたま見せられたのがきっかけで、どツボにハマってしまいました!!
父親殺しの容疑で起訴された少年を12人の陪審員が有罪か無罪か決めるという、
ただそれだけの話。エアコンも効かない暑っ苦しい個室の中で延々と話し合い続けるのみ。
それがなんでこんなにも面白いのか!?
脚本が非常にシッカリしているのと、
12人の男達ひとりひとりのキャラが見事に立っていることが挙げられます。
納得いかない部分がある限り、簡単に少年を死刑にするわけにいかないと
事件を真面目に考える主人公。
急いで野球の試合を観たいがためにさっさと有罪にしようとする男。
スラム街で生まれ育った人間はろくなやつがいない、といった偏見むき出しな男。
反抗ばかりされ、しまいには家出までされた自分の息子と被告の少年をダブらせる男。
周りの意見にただ振り回されてばかりな主体性ゼロの男。 などなど・・・。
そんな、年齢も性格も思想もてんでバラバラな男達が
見ず知らずの一人の少年の生死をめぐってアツい論争を繰り広げる!
ただ一人、少年を無罪だと主張する主人公。
1対11の状況が、ちょっとずつ覆されていく痛快さ!!
そして、人が人を裁くことの難しさについても考えさせられます。
どんなに低予算でも物凄く面白い映画は作れる。
本作は、その非常にいい見本だと思います!
超有名な法廷劇。
法廷劇=ディスカッションドラマであり、人間ドラマであるだけでなく、立派な推理ミステリーにもなっているのが素晴らしい。
もとはTVドラマの映画化。
中学生のときに、自室の白黒テレビで「水曜ロードショー」(水野晴男氏の解説)で観たのが最初。
素直に感動しました。
ヘンリー・フォンダが、アメリカの良心の代表として、善良な市民を演じています。
他の出演者も、いづれも芸達者ぞろいで、様々な人間のぶつかりあいを白熱した演技で表現。
ラストも印象的です。
その後、戯曲が、国内でも何度も上演されており、戯曲シナリオ(著者:レジナルド・ローズ /額田やえ子訳)も重版・改版を重ね、今も発売中。
アメリカTVムービーでもリメイク。(リリース済、主演:ジャック・レモン、ジョージ・C・スコット、監督:ウィリアム・フリードキン!)
本作に着想を得て、三谷幸喜により日本ならどうなるかという「12人の優しい日本人」も舞台、映画で作られました。
この作品が、これだけ長い間愛され続けるのも、テーマとシナリオが素晴らしいからでしょう。
アメリカ法廷映画史上の最高傑作であることは間違いない!
それよりも特筆すべきは、古い作品にもかかわらず現代社会の病理がそのまま存在している
アメリカ社会の凄さであり、将来的な危惧としての制作陪審員制度に対する問題提起の側面や、
人道や人権という言葉から発せられる誤ったヒューマニズムの脅威という、現代社会において
日常的な問題が随所に盛り込まれている素晴らしい作品であるといえる。
父親を殺した容疑で少年を裁く裁判が行われた。 様々な状況証拠、証人、そして少年の育った環境の悪さなどから、誰もが 有罪を確信していた。 裁判の判決は有罪。 そして、この判決を受け入れかどうかは12人の陪審員たちの手に委ねられ る。さっさと終わらせてしまおうという雰囲気の中、主人公の男だけは無 罪に票を投じる。全員一致のみが評決を出す手段である。男たちの長い議 論が始まる。 というのは、ほんの冒頭の部分。 ほとんどのシーンが議論が行われる一室のみで展開される。BGMもなく、男 たちの議論の声の合間の、静寂の場面が効果的に使われています。 そうとう昔の作品ですが、今見ても十分楽しめる名作です。 ぜひ見てみて下さい。
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