2010年3月〜2011年4月まで、静岡新聞の夕刊に連載されている時からのファンである。 一冊の本になり出版されたと知り、改めて読みなおそうと購入した。点線のように抜け落ちていた部分がつながり、読み終えた時の清涼感はひとしおだった。およそ「愛」とは無縁に見える武骨な老刑事の中に、実は形を変えて、恐ろしいまでに社会に対するメッセージとして全編を流れている。それは時には読む者に対し、「生きるとは」、「人間とは」、「正義とは」、といったものを立て続けにけに問いかてくる。 知人の元刑事が、新聞の連載を楽しみに読んでいたのを思い出した。そうだ、読み終えたのでプレゼントしようか。
やはり米村貴裕様は独特ワールドの持ち主でした(笑) とにかく奇想天外・摩訶不思議な展開で、これは新しいです。 作風としてはやや黒め、グロ描写有りと言った具合でしょうか。 また、ストーリー展開が全体的に高速だった前回と比較して今作は とてもスローテンポで、その分各出来事がより繊細に描写されている印象です。 恒例?の壮大なラストといい、非常に充実したボリュームで この道が好みの方は間違いなく買いだと言えます。
但し、随所に目立つ荒がやや気になりました。 度々のキャラクター名誤字や、メッセージ性重視なのか 置去りにされた様に思えたストーリー性です。後者に関しましては、 ラスト以外"ヒト"と"ヒト"の情愛描写が多い為に自分のツボとはちょっと違い 感情移入が少なかったからそう感じただけなのかもしれません。 そのせいか窮地に立たされた時の読者(自分)のドキドキ感も今回は少なかったです。
ですが結局の所、度々の竜獣心をピンポイントで擽る描写などに やられてしまう自分なのでした(笑) とにもかくにも、間違いなく買いでありますので是非皆様も このワールドをエンジョイされては如何でしょうか。 この展開、間違いなく「うぉっ」と叫びます。
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