全体の曲目を眺めますと、イタリア出身の作曲家とバロック時代の曲目から選曲されているのが多いのと、オーボエ協奏曲から取ったものが多いのに気がつきました。少し物悲しいオーボエの音色とアダージョのイメージが合うのでしょうか。アルビノーニやマルチェルロの曲は有名ですから、映画音楽などにも使われています。
ハチャトゥリアン作曲の「スパルタカスとフリージアのアダージョ」は良い曲で気に入りました。幻想的で優雅な曲ですし、ジェームズ・ゴールウェイの奏でるフルートの音色の美しいこと。このアルバムの愁眉の曲でしょう。
バーバーの「弦楽のためのアダージョ」の緊張感溢れる荘厳な調べはまた格別で、サミュエル・バーバー畢竟の名曲です。マーラーの「交響曲第5番~アダージェット」もヴィスコンティ監督作品「ベニスに死す」に用いられてから特に愛されるようになりました。官能的な響きは、他の曲にない趣を感じます。
「アダージョ」に収録されている曲を一通り聴きますと、心が安らぎました。
忙しい現代人にとってこのような「アダージョ」の語源の「くつろいで」という時間が必要なのでしょうね。
最近、廉価なオムニバス「クラシック入門」のようなCDがもてはやされているが、1曲完奏していないものが多く、商品とは言えないものが売られている事と、それを高く評価してしまう人が意外に多く、悲しく感じていたが、これは、同じ曲を色々なアレンジ、演奏家で聴き比べる事ができ、クラシックの自由で広大な世界を認識できるという、本当のクラシックの面白さを教えてくれる、良い企画です。「広く浅く」ではなく、1曲をとことん追求する面白さを味わって貰えれば、クラシックの本当の面白さが判るのです。同じBMGが「いいとこどり」なる、オーディオチェックCDを企画したとは思えない素晴らしい企画です。担当者の深い愛情がしのばれる良いオムニバスです。これを聴いて、貴方もクラシックにのめり込もう!
ケルト音楽には詳しくないのですが興味があり、入門がてらに購入してみたのですが、見事に当たりでした!! それぞれ違うアーティストによるヴォーカルあり、器楽のみなど様々な曲が楽しめ、繊細で、素朴で、なんだか懐かしさを覚えてしまうようなアルバムです。曲によって好き嫌いはあると思うのですが、聞いていて心が穏やかに、もしくはウキウキとしてくるこのアルバム、いつもドライブのお供にしています。
「主よ、人の望みの喜びよ」はとても好きなので、「G線上のアリア」「カノン」と続けて買ってみましたが、これだけちょっと毛色が違うような。仕事しながらヘッドホンで聴くので、落ち着いて聴きたかったのですが、ちょっとアレンジがききすぎていて、正直あまり耳ざわりが良くなかったです。いきなり合唱が聞こえてくるのにびびりました。他に「主よ…」100%のCDはないものでしょうか。でも、「主よ…」が好きな人には良いCDだと思います。
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