的外れな批評をされている方もいらっしゃいますが、個人旅行に慣れた方には珠玉のガイドブックです。「もっとカラー写真をみたい」とか両替の手順や出入国のやり方など箸の上げ下げまで面倒をみてもらいたい方は地球の歩き方の方をお勧めします。
この本に限りませんがビザの取得方法は変わりやすいので参考程度に留めてBBSや現地の情報ノートで調べた方がよいでしょう。
チェチェン紛争から昨今の南オセチア問題まで、常に世の中を騒がせ続けている「コーカサス」についての概説書。
国で言えば、アゼルバイジャン、グルジア、アルメニア、ロシアの一部などだ。
こういった少々マニアックなテーマだと、他の書籍やニュースから集めた二次情報だけで構成されている本もたまに見かけるが、本書は明らかに違う。
著者が自分で集めた貴重な一次情報が中心で、ミクロの視点とマクロの視点のバランスが絶妙な、とても読み応えのある一冊になっているのだ。
一口にコーカサスと言ってもものすごく多様で、民族も言語も宗教もいろいろ。
その中で著者はアゼルバイジャンの専門家らしく、アゼルバイジャンについての記述が充実しているが、その他地域についてもしっかりと書かれている。
おそらく日本にはこの地域の専門化が少ないと思われるので、著者の視点は非常に貴重なものだろう。
今後もぜひ、書籍などを出していただきたい著者だ。
ちなみに、著者の立場はあくまで中立なのだが、少々アゼルバイジャンびいき的な記述も見られる。
でも、そんなところにもむしろ、著者の人間味が見られて好感を持ってしまったりも・・・。
この本は2部構成で、「第1部 21世紀の独裁国家」「第2部 20世紀の独裁者」を網羅してくれている本です。「現在でもこんなにあったのか」とびっくりしました。これだけあれば民主主義国家の方が珍しいかも?いわゆる我々が想像する悪の独裁国家(例えば北朝鮮)もあれば、バラエティ番組でたまにやってるユニーク?な独裁国家(例えばカタール)もあり、読んでいて面白かったです。ただ、21世紀の独裁国家のところで、中華人民共和国があったのに、なぜかロシアが無いのが引っかかったかな。20世紀の独裁者のところにはスターリンが載っていたんですけどね。世界情勢についても読めるので、なかなかリーズナブルな1冊と言える。
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