とある女子高の学園祭における演劇部の”櫻の園”上演までに少女たちに起こる出来事をやさしいタッチで描いた中原俊監督の傑作。原作はいわずと知れた吉田”河のようにゆるやかに”秋生。 学園祭当日の朝から上演までの2時間と時間を限定することで、その中での少女たちの心の動きが実にうまく描かれており、見た後で青春映画特有の甘酸っぱさが心地よく残ります。 女優陣もこの年代特有の感情をそれぞれ非常にうまく表現されており、特につみきみほの演技は秀逸です。(amazon.co.jpのレビューの中島朋子というのは間違い。中島ひろ子さんです。) 派手さはありませんが、監督・脚本・出演者のすべてがそれぞれ持ち味を生かした”いい映画”だと思います。 ところで狂言回し役の2年生を演じた宮澤美保ちゃんはその後どうしたのでしょうか?(かなりかわいかったのですが。。)
個人的にこの手の話をかかせると、
もうホントに吉田秋生って「上手い」な――!!! って思います。
なんといっても「そこの空気」の書き方が絶妙に上手い。
この話も、鎌倉の町の海の湿気、山の影、小さくて細い路地、海沿いを走る電車、
そんな生活の空気感が絶妙。
そしてその中での「生活」の書き方がまたものすごくいい。
毎日起きて仕事してご飯たべて買い物して――の、そういう生活の中にこそある
普通であること、人を許すこと、忘れられないこと、好きになること、痛いこと、悲しいこと―――そんなことがもう、あまりにも的確にぐいっと入ってくるカンジがして、
弱ってるときに読んだら涙止まらないかもしれません。
すでに成人した三姉妹の住んでいる古い鎌倉の家に、腹違いの中学生の妹がやってくる……というのも、「生活」への変化なのかもしれません。
学生が話に絡んでくるのは、やっぱり若い子が話に絡んでくると、「動く」からかなー、と思います。最後の話の静けさは、なんだか懐かしくて痛ましい。
吉田秋生の名作中の名作『バナナフィッシュ』のオーディオドラマ版。
だいぶ以前にNHKFM「青春アドベンチャー」で放送していたもので、もう何度も再放送されています。
通常月〜金の1日15分放送で2週間が平均なのですが、これは異例の6週間放送でした。
もちろん原作同様に濃い内容で、麻薬あり、少年売春あり、ドンパチありのハードな展開で、放送用語禁止ギリギリなストーリーを、よくまあNHKさんが取り上げたものだと感心していたものです(苦笑)。
原作から入ると自分が予想した声と違うとか、色々とギャップがあって不満に思う方もいるかもしれませんが、このラジオドラマの脚本はなかなか良い出来だと思います。
原作が大作ですから、どうしても時間の都合上カットしなければならない場面が出てきてしまうのですが、カットの仕方がそれほど不自然でなく、原作の流れを尊重した仕上がりになっています。
演出上、原作にはないオリジナルのセリフも追加されていますが、それがまた悪くないンです。
これなら原作ファンも納得なのではないでしょうか?
確かに主人公アッシュの声が少年にしては大人過ぎるかな、と感じるかもしれませんが、演じていらっしゃる古澤徹さん、とても雰囲気に合っていて、演技も含めて私は気に入っております。
アッシュの親友・エイジをベテラン声優の井上和彦さん、脇を古田新太さんや佐々木
蔵之介さんなど実力派舞台俳優がかっこよく固めるとゆー、今では大変豪華な配役。
特に佐々木さんの悪役ぶりはスゴい。もうノリノリです。もともと舞台役者ならでは発声をする方なので、オーディオドラマだと映えますね。
CD版はラジオ放送と若干異なるBGMが使われており、また挿入歌(ちょっと切ない……)がついています。
新耳袋シリーズ。今回も面白いエピソードばかりで十分、楽しめました。今回は黒川芽以主演オンパレード。よく知らなかったのですが、いいアイドルですね(話が逸れた!) たまたま、隣で見ていた母が、あのショートショートのテンポについてこれず、終始???って顔していたのが、余談ですが笑えました。
せっかくの期待の若いキャストを揃えての医療ドラマでしたが、内容的にも悪くなく良かったのですが、 運悪く、同時間に同じような医療ドラマが重なってしまったのも残念の要因でした。
何せ、裏番組は昨年のドラマ部門の最高視聴率25%以上を獲得した、テレ朝の米倉涼子主演『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』 でした。これは勝てる訳がありません。
もっと別の曜日に放送してたら、視聴率も上がったし、内容もよく把握できた気がしました。 今更ながら残念なドラマでしたので、購入して拝見しようと思います!!
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